deer-flow AIエージェント
ByteDance製のオープンソース「スーパーエージェント基盤」。調査・コーディング・コンテンツ生成を数分〜数時間かけて自律実行。サブエージェント、長期記憶、Dockerサンドボックス、拡張スキルを統合し、MIT ライセンスで無料公開。
spec — 基本情報
| github_stars | 77.0k |
|---|---|
| pricing | 完全無料(MITライセンス・セルフホスト) / LLM APIトークン費用は利用者負担 |
| license | MIT |
| japanese | 不明 |
概要
DeerFlow(Deep Exploration and Efficient Research Flow)は、ByteDanceがオープンソースで公開したスーパーエージェント基盤(ハーネス)です。単なるチャットボットとは異なり、AIエージェントに「本物のコンピューター環境」を与え、ウェブ調査・コード実行・ファイル操作・レポート生成といった複合的な作業を数分〜数時間かけて自律完了させます。2026年2月28日にバージョン2.0としてゼロから書き直された形で公開され、公開直後にGitHubトレンド1位を獲得、数週間で6万以上のスターを集めました。
バージョン2.0はv1との互換性を持たない完全な作り直しであり、ByteDanceは自ら「Deep Researchエージェントからフルスタックのスーパーエージェントへの転換」と位置づけています。LangGraphとLangChainをベースに構築されており、OpenAI・Anthropic Claude・Google Gemini・DeepSeek・ByteDance Doubaoなど、OpenAI互換APIを持つほぼすべてのLLMと連携できます。MITライセンスで公開されているため、商用・個人問わず無料で利用・改変・再配布が可能です。
主な機能
- サブエージェント(SubAgent)オーケストレーション
複雑なタスクを自動で細かい作業単位に分解し、複数の「助手エージェント」が並列で担当。まるでプロジェクトマネージャーとチームメンバーが連携するように、最後にリードエージェントが成果物をひとつに統合します。
- Dockerサンドボックス(安全な実行環境)
AIが実際にコマンドを実行したりファイルを読み書きしたりする際、Dockerという「隔離されたコンテナ(仮想の箱)」の中だけで動作するため、手元のPCに直接影響が及びません。ブラウザ・ターミナル・ファイル管理・MCP・VSCode Serverをひとつのコンテナにまとめたオールインワン構成を推奨しています。
- 長期記憶(Persistent Memory)
セッションをまたいでユーザーの作業スタイル・好み・プロジェクト構造などを記憶し続けます。多くのAIツールは会話が終わると全情報が消えてしまいますが、DeerFlowは蓄積された文脈を保持し、使い続けるほど精度が上がる設計です。記憶はローカルに保存されユーザーが管理します。
- スキルシステム(拡張可能な能力セット)
Markdownファイルで定義された「スキル」によってエージェントの得意分野を拡張できます。スキルは必要になったときだけ読み込む「プログレッシブローディング」方式で、文脈ウィンドウ(AIが一度に処理できる情報量)の節約にも貢献します。組み込みスキルのほか、自作スキルの追加も可能です。
- マルチモデル対応
OpenAI GPT-4o・Claude・Gemini・DeepSeek・Doubao・Ollamaなど、多数のLLMプロバイダに対応。ローカルモデル(Ollamaなど)を使えばAPIコストをゼロにすることもできます。
- メッセージングチャンネル統合
Telegram・Slack・Feishu(Lark)・DingTalk・WeChat・WeCom・Discordなどの既存チャットツールからDeerFlowにタスクを送信し、結果を受け取れます。パブリックIPアドレスは不要で、設定するだけで自動起動します。
- MCP(外部ツール接続プロトコル)サポート
MCP(AIと外部ツールをつなぐ標準規格)に対応し、HTTP/SSE・stdioの両方式のMCPサーバーと連携可能。Claude Codeからターミナル経由でDeerFlowを操作するスキルも公式提供されています。
料金プラン
DeerFlow本体(github.com/bytedance/deer-flow)はMITライセンスのオープンソースソフトウェアであり、利用・改変・商用利用すべて無料です。公式が設定するサブスクリプション料金・シート数制限・エンタープライズ料金は存在しません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ライセンス | MIT(無料・商用利用可) |
| 本体利用料 | 完全無料 |
| ホスティング | セルフホスト(自分のPCやサーバーで動かす) |
| LLM APIコスト | 使用するモデルのAPI利用料が別途発生(例:OpenAI・Claude等) |
| ローカルモデル利用 | Ollamaなどを使えばAPIコストゼロも可能 |
| クラウド版/管理型サービス | 公式は提供なし(詳細は公式サイト参照) |
> 注意: クラウドモデル(GPT-4oやClaudeなど)を使う場合、サブエージェントが並列で長時間動くため、1タスクあたりのトークン消費量が多くなります。コスト管理にはローカルモデルの活用やモデル選択の工夫が有効です。
導入方法
公式ドキュメント(deerflow.tech/en/docs/application/quick-start)に記載されたローカル起動の手順です。
前提条件: Python 3.12以上・Node.js・pnpm・uv・Docker(サンドボックス利用時)・Gitが必要です。
# 1. リポジトリをクローン(ダウンロード)
git clone https://github.com/bytedance/deer-flow.git
cd deer-flow
# 2. 依存ライブラリを一括インストール
make install
# 3. 設定ファイルを生成
cp config.example.yaml config.yaml
# config.yaml を編集してAIモデルのAPIキーを追加する
# 4. 環境変数にAPIキーをセット(例:OpenAIの場合)
export OPENAI_API_KEY=sk-...
# 5. 開発サーバーを起動
make dev
# 6. ブラウザで http://localhost:2026 を開けば完了
make dev を実行すると、ゲートウェイAPI(ポート8001)・フロントエンド(ポート3000)・nginxリバースプロキシ(ポート2026)が起動し、http://localhost:2026 でWebUIにアクセスできます。セットアップが不安な場合は make doctor コマンドで事前に環境チェックを行えます。
Dockerを使う場合は make docker-start でコンテナ環境ごと起動できます。Windowsユーザーは Git Bash から実行してください(cmd.exe・PowerShellは非対応)。
こんな人におすすめ
- 「リサーチ作業を丸ごと自動化したい」個人開発者・フリーランス
競合調査・市場リサーチ・論文要約など、複数のソースを横断して調べてまとめる作業を、指示ひとつで自動実行できます。
- コードを書きながらAIに長時間タスクを任せたい開発者
Claude CodeやVSCodeを使いながら、ターミナルからDeerFlowに調査・資料作成タスクを投げ、自分はコーディングに集中するという分業スタイルが実現できます。
- チーム内にSlack・Telegram等を導入済みで、AIワーカーを組み込みたい人
既存のチャットツールをそのままDeerFlowの入力口・出力口として使えるため、新しいツールを覚えなくても自然に導入できます。
- データの外部送信を避けたい・コストを抑えたいセキュリティ意識の高い人
セルフホストのため、すべてのデータが自分のサーバー内で完結します。ローカルLLM(Ollama等)と組み合わせれば、APIコストもほぼゼロで運用できます。
よくある質問
Q. 完全に無料で使えますか?追加料金はかかりませんか? A. DeerFlow本体はMITライセンスで完全無料です。ただし、OpenAIやAnthropicなどのクラウドAIモデルを使う場合は、そのAPIの従量課金が別途発生します。OllamaなどのローカルモデルはAPIコストがかからないため、コストゼロ運用も可能です。
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか? A. セットアップにはターミナル(コマンドライン)の基本操作が必要で、設定ファイル(YAML形式)の編集も伴います。完全なノーコードとは言えませんが、公式のクイックスタートドキュメントに沿えば、コマンドをコピー&ペーストする程度の操作で動かせます。
Q. どのAIモデルと連携できますか? A. OpenAI GPT-4o・Anthropic Claude・Google Gemini・DeepSeek・ByteDance Doubao・Ollamaなど、OpenAI互換APIを持つほぼすべてのモデルに対応しています。公式はDoubao-Seed-2.0-Code・DeepSeek v3.2・Kimi 2.5の利用を推奨しています。
Q. v1(旧バージョン)との違いは何ですか? A. バージョン2.0はv1とコードを一切共有しない完全な書き直しです。v1は「深掘りリサーチ専用ツール」でしたが、v2.0はコーディング・コンテンツ生成・データ分析など幅広いタスクに対応したスーパーエージェント基盤へと進化しています。v1は1.xブランチで引き続きメンテナンスされています。
glossary — わからない用語があったら
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