LlamaFactory AIエージェント
LlamaFactory(LLaMA Factory)は、100種類以上のLLM・マルチモーダルAIモデルをコードなしでファインチューニング(追加学習)できるオープンソースフレームワーク。GUIによるノーコード操作とCLIの両方に対応し、ACL 2024に採択された研究論文を基盤とする。Apache 2.0ライセンスで完全無料。
spec — 基本情報
| github_stars | 73.3k |
|---|---|
| pricing | 完全無料・オープンソース(Apache 2.0ライセンス) / ツール自体の利用料なし・GPUなどのインフラ費用は別途必要 |
| license | Apache-2.0 |
| japanese | 不明 |
概要
LlamaFactory(LLaMA Factory)は、LLaMA・Qwen・DeepSeek・Gemmaなど100種類以上のLLM(大規模言語モデル)およびVLM(画像も扱えるマルチモーダルAIモデル)を、コードを一切書かずにファインチューニング(追加学習)できるオープンソースフレームワークです。開発者のhiyouga氏が公開し、ACL 2024(計算言語学の国際学会)に論文が採択されたことで学術的信頼性も高い点が特徴です。Apache 2.0ライセンスのため、個人・商用問わず無料で利用可能です。
ファインチューニングとは、「すでに賢い汎用AIに、自分専用の知識や話し方を追加で覚えさせる作業」のことです。従来この作業には高度なプログラミング知識が必要でしたが、LlamaFactoryはブラウザで操作できるGUI(グラフィカルな操作画面)「LlamaBoard」を内蔵しており、モデル選択からデータ読み込み・学習開始・モデル書き出しまでを画面上のボタン操作だけで完結できます。HuggingFace・ModelScope・ローカルディスクなど複数のデータソースに対応し、学習済みモデルはOpenAI互換APIとしてそのまま公開することもできます。
主な機能
- ノーコードGUI「LlamaBoard」: ブラウザ上の画面からモデル・データセット・学習手法・パラメータをすべて選択でき、プログラミング不要でファインチューニングを開始できます。「Training(学習)」「Evaluation(評価)」「Chat(チャット)」「Export(書き出し)」の4画面構成で直感的に操作できます。
- 100種類以上のモデルに対応: LLaMA・Mistral・Qwen3・DeepSeek・Gemma・GLM・Phiなど主要なオープンソースモデルをワンストップでサポート。2025年以降もGLM-4.1V・InternVL3・Llama 4・GPT-OSSなど新モデルが順次追加されています。
- 多彩な学習手法: 継続事前学習・教師ありファインチューニング(SFT)・報酬モデル学習・PPO・DPO・KTO・ORPOなど、最新の手法を統合。LoRA(大きいモデルの一部だけを効率的に学習する技術)やQLoRA(さらにメモリを節約した量子化版)にも対応し、家庭用GPUでも実行できます。
- 省メモリ動作(QLoRA): 2〜8ビットの量子化(数値を圧縮してGPUメモリの使用量を大幅に減らす技術)に対応。コンシューマー向けGPU(例:24GB VRAM)でも70B規模の大型モデルを学習できます。
- マルチモーダル対応: テキストだけでなく、画像・動画・音声を扱うモデル(VLM)のファインチューニングにも対応。画像認識や音声理解など幅広いタスクをカバーできます。
- 柔軟な推論・デプロイ: 学習後のモデルはOpenAI互換APIとして即座に公開可能。vLLM・SGLangなどの高速推論バックエンドも選択でき、CLIからチャットすることもできます。
- 実験管理ツール連携: TensorBoard・Weights & Biases・MLflow・SwanLabなどの実験記録ツールと連携し、学習の進捗をリアルタイムで可視化できます。
料金プラン
LlamaFactory自体は完全無料のオープンソースソフトウェアです。利用にかかるコストは、実行環境(GPU・クラウド)のインフラ費用のみです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール本体の費用 | 無料(Apache 2.0ライセンス) |
| ライセンス種別 | Apache 2.0 / 商用利用・改変・再配布すべて可能 |
| Google Colabでの試用 | 無料T4 GPUで試せるColabノートブックあり(公式提供) |
| ローカルGPU実行 | 自前のGPU環境が必要(VRAM目安:LoRAなら8〜24GB) |
| クラウドGPU費用 | クラウドプロバイダーの料金に準拠(LlamaFactory自体は無課金) |
> 注意: ツール自体の料金は発生しませんが、学習・推論にはGPUが必要です。初期セットアップに30〜60分、モデルサイズとデータ量により学習には1〜7時間程度かかります。
導入方法
① Gitでクローンしてpipでインストール(推奨)
git clone --depth 1 https://github.com/hiyouga/LlamaFactory.git
cd LlamaFactory
pip install -e .
② インストール確認
llamafactory-cli version
③ ブラウザGUI(LlamaBoard)を起動する
llamafactory-cli webui
ブラウザが開き、モデル選択→データ指定→学習開始までGUI上で操作できます。
④ CLIでLoRAファインチューニング(Qwen3の例)
# 学習
llamafactory-cli train examples/train_lora/qwen3_lora_sft.yaml
# チャット確認
llamafactory-cli chat examples/inference/qwen3_lora_sft.yaml
# モデル書き出し
llamafactory-cli export examples/merge_lora/qwen3_lora_sft.yaml
⑤ Dockerで使う(環境構築を省略したい場合)
docker run -it --rm --gpus=all --ipc=host hiyouga/llamafactory:latest
> DockerイメージはUbuntu 22.04・CUDA 12.4・Python 3.11・PyTorch 2.6.0をベースに構築済みです。
こんな人におすすめ
- 自社・自分専用のAIアシスタントを作りたい人: 社内マニュアル・FAQ・独自ノウハウを学習させて、特定業務に特化したチャットボットを構築できます。プログラミング不要のGUIがあるため、エンジニア以外でも操作を試せます。
- 既存のAIモデルに特定のキャラクター・口調・専門知識を覚えさせたい人: LoRA(少ないデータ・低コストで追加学習できる技術)を使えば、比較的小さなGPUで個性や専門性をモデルに注入できます。
- 画像・音声を扱うマルチモーダルAIを独自データで育てたい人: VLM(画像も扱えるAI)のファインチューニングにも対応しており、画像認識や音声理解タスクを自分のデータに最適化できます。
- 最新のオープンソースAI研究を実用的に試したい研究者・開発者: DPO・KTO・ORPOなど最新のアライメント手法(AIの回答品質を上げる技術)が実装済みで、論文手法をすぐ実験に使えます。
よくある質問
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか? A. ブラウザで操作できるGUI「LlamaBoard」が内蔵されており、モデル選択・データ指定・学習開始・モデル書き出しをボタン操作だけで行えます。ただし、初期インストール(pip コマンド)とGPU環境の準備は必要です。
Q. どんなGPUが必要ですか? A. LoRA学習ならVRAM 8〜24GB程度のGPUから利用できます。QLoRA(量子化LoRA)を使えばさらに少ないメモリで動作可能です。無料で試すには、公式が提供するGoogle Colabノートブック(無料T4 GPU)を使う方法もあります。
Q. 商用利用はできますか? A. LlamaFactoryツール自体はApache 2.0ライセンスで商用利用・改変・再配布が可能です。ただし、ファインチューニングに使う各AIモデル(Llama・Qwenなど)にはそれぞれ固有のライセンスがあるため、使用モデルのライセンスを個別に確認する必要があります。
Q. 学習後のモデルはどう使えばよいですか? A. llamafactory-cli export コマンドでモデルを書き出し、Hugging Face Hubに公開したり、OpenAI互換APIとしてサーバー上に立てたりできます。CLIから直接チャットすることも可能です。
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