academic-research-skills OSS
Claude Code(AnthropicのAIコーディングツール)向けのOSSスキルスイート。文献調査→論文執筆→査読→修正→最終化という学術論文の全工程を、合計4つのスキル・27以上のモードでカバーする。AIは副操縦士として人間の思考を補助する設計。
spec — 基本情報
| github_stars | 37.8k |
|---|---|
| pricing | 完全無料・OSSで公開(CC BY-NC 4.0ライセンス)/開発者へのサポートはBuy Me a Coffeeで任意寄付 |
| japanese | 不明 |
概要
academic-research-skillsは、Anthropicが提供するAIコーディングツール「Claude Code」に組み込める学術研究専用のスキルスイート(機能拡張パック)です。開発者はEdward Cheng-I Wu氏(GitHub: Imbad0202)で、GitHubスター数は3万7千超を誇る注目のOSSプロジェクトです。「文献調査 → 論文執筆 → 査読 → 修正 → 最終化」という研究プロセスの全工程を、4つのスキルと27以上の動作モードでカバーします。
注目される理由は、AIが論文を「代わりに書く」ツールではないという明確な設計思想にあります。参考文献の収集・引用フォーマット・データ検証・論理的整合性チェックといった「雑務」をAIが担い、研究者は「問いを立てる・手法を選ぶ・データを解釈する・自分の言葉で論じる」という本質的な作業に集中できます。AI検出を逃れるための「人間っぽく見せる」機能は意図的に省かれており、研究倫理を重視した設計になっています。
主な機能
- Deep Research(文献調査スキル):13のAIエージェント(役割分担したAIの集まり)がチームを組み、文献調査・ファクトチェック・PRISMA(システマティック・レビューの国際標準手法)対応の系統的レビューなど8つのモードで動作します。Semantic Scholar APIを使った引用存在確認も内蔵しています。
- ソクラテス式対話モード:研究テーマがまだ漠然としているときに、AIが答えを教えるのではなく「問いかけ」によって思考を整理してくれるモードです。5〜15回のやり取りで研究課題と方法論の方向性が固まります。
- Academic Paper(論文執筆スキル):12エージェントによる論文執筆支援。スタイル校正・文章品質チェック・LaTeX(論文組版ソフト)対応・APA 7.0引用形式・二言語(英語+中文)アブストラクト自動生成・DOCX/PDF出力など10モードを備えます。
- Academic Paper Reviewer(査読シミュレーション):編集長+査読者3名+「悪魔の弁護人」役AIによる7エージェント構成の多角的査読シミュレーション。論文の弱点を事前に洗い出し、修正コーチ機能でリバイス(修正提出)をサポートします。
- Academic Pipeline(一気通貫パイプライン):上記3つのスキルを束ね、研究→執筆→誠実性チェック→査読→修正→再査読→最終化という10ステージのワークフローを一元管理します。フルパイプライン実行時のAPIコスト目安は約4〜6ドル程度です。
- クロスモデル検証(オプション):OpenAI互換エンドポイント(DeepSeekやセルフホストモデルなど)を追加して、複数のAIモデルで同じ主張を検証できます。重要な論拠の裏付けを多角的に確認したい場合に有効です。
- 多言語対応:ソクラテスモードとPlanモードはキーワードではなく「意図」を検知するため、日本語を含む任意の言語でそのまま使用できます。
料金プラン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール本体 | 完全無料・オープンソース(CC BY-NC 4.0) |
| 商用利用 | ライセンス上不可(詳細は公式GitHubのLICENSEファイル参照) |
| Claude Code本体 | Anthropicの料金体系に準拠(別途要確認) |
| APIコスト | フルパイプライン1本あたり目安:約4〜6ドル |
| 開発者サポート | Buy Me a Coffeeで任意寄付可 |
> 注意:ツール自体は無料ですが、動作にはAnthropicのClaude Code(およびAPIキー)が必要です。API利用料はAnthropicの料金体系に従い別途発生します。
導入方法
方法①:Claude Code プラグイン(最速・30秒)
Claude Code(v3.7.0以上)を起動し、以下のコマンドを実行するだけです。
/plugin marketplace add Imbad0202/academic-research-skills
/plugin install academic-research-skills
インストール後、/ars-plan と入力すると、ソクラテス式対話で論文構成を組み立てるモードが始まります。
方法②:GitHubからクローン(シンボリックリンク方式)
# Claude Codeをインストール
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/Imbad0202/academic-research-skills.git ~/academic-research-skills
# プロジェクトにスキルを登録
cd /path/to/your/project
mkdir -p .claude/skills
ln -s ~/academic-research-skills/deep-research .claude/skills/deep-research
ln -s ~/academic-research-skills/academic-paper .claude/skills/academic-paper
ln -s ~/academic-research-skills/academic-paper-reviewer .claude/skills/academic-paper-reviewer
ln -s ~/academic-research-skills/academic-pipeline .claude/skills/academic-pipeline
動作確認:/ars-plan を実行し、取り組んでいる論文テーマを伝えると、AIが質問を返してきます。まず小さなタスクで試してから本格利用に移ることを公式では推奨しています。
オプション設定:DOCX出力にはPandoc、APA 7.0形式のPDF出力にはtectonicとフォントのインストールが別途必要です(Markdown出力だけならどちらも不要)。
こんな人におすすめ
- 論文を初めて書く大学院生・研究者:研究課題がまだ曖昧な段階からソクラテス式対話で一緒に問いを立て、構成を練り上げられます。「何から始めればいいかわからない」状態の人に特に向いています。
- 査読前に論文の穴を自分でチェックしたい研究者:実際の投稿前に、AIが編集長と査読者3名の役割を演じて厳しくレビューしてくれます。ジャーナルへの投稿後に「こんな指摘があったのか」と後悔する前に弱点を潰せます。
- 引用・参考文献の管理が煩雑になっている人:APA 7.0形式への自動変換、引用の実在確認(Semantic Scholar API連携)、論文内の主張と引用の対応チェックをまとめて自動化できます。
- Claude CodeをすでにAI開発に使っているエンジニア:既存のClaude Code環境にプラグイン1コマンドで追加できるため、開発ツールと学術執筆ツールをシームレスに切り替えられます。
よくある質問
Q. このツールはAIが論文を自動で書いてくれるものですか? A. いいえ。公式の設計思想として「AIは副操縦士であり、パイロットではない」と明記されています。参考文献の収集・引用フォーマット・論理整合性チェックといった補助作業を担いますが、研究課題の設定・手法の選択・データ解釈・論述は研究者自身が行います。AI検出を回避するための「文章の人間化」機能も意図的に搭載されていません。
Q. 日本語でも使えますか? A. ソクラテスモード(deep-research)とPlanモード(academic-paper)は特定のキーワードではなく「意図」を検知して動作するため、日本語でそのまま使用できます。ただしトリガーキーワードの一部は英語と繁体字中文が主なため、日本語で起動しにくい場合はSKILL.mdに日本語キーワードを追記することで改善できます。
Q. APIコストはどれくらいかかりますか? A. 公式ドキュメントによると、フルパイプライン(10ステージの完全な論文作成)で約4〜6ドルのAPIコストと2〜4時間の作業が目安とされています。引用チェックや要旨生成など単体のモードだけ使えばコストは大幅に抑えられます。
Q. 商用利用はできますか? A. ライセンスはCC BY-NC 4.0(クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利)です。個人・学術用途は無料で利用できますが、商用利用・再配布・製品への組み込みにはライセンスの精査が必要です。詳細は公式GitHubのLICENSEファイルを確認してください。
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