PageIndex OSS
PageIndexはVectify AIが開発したOSSのRAGエンジン。ベクトルDB不要の「推論ベース検索」で長文PDFを目次ツリーに変換し、LLMが人間の専門家のように書類を読み解く。金融文書QAベンチマーク(FinanceBench)で98.7%の精度を達成。
spec — 基本情報
| github_stars | 34.0k |
|---|---|
| pricing | OSSセルフホスト版は無料 / クラウド版・APIはFree Trialあり(詳細は公式ダッシュボード参照) / エンタープライズ版は要問合せ |
| license | MIT |
| japanese | 不明 |
概要
PageIndexは、Vectify AIが開発したオープンソースのVectorless RAG(ベクトルDB不要のRAG=手持ちの資料をAIに読ませて答えさせる仕組み)エンジンです。従来のRAGは「テキストを細切れ(チャンク)にしてベクトルDBに蓄え、質問と似た断片を検索する」手法でしたが、PageIndexはまったく異なるアプローチを採ります。ドキュメントを階層的な目次ツリーに変換し、LLM(大規模言語モデル)がそのツリーを推論しながらたどることで、人間の専門家が書籍を読むように最適な節・段落へ到達します。
このアプローチが注目される最大の理由は精度と透明性です。財務文書QAベンチマーク「FinanceBench」において、従来のベクトルRAGが30〜50%程度の正解率にとどまる中、PageIndexは98.7%という最高水準を達成しています。さらに「どのページの何番のセクションを根拠に答えたか」が常に追跡できるため、「なんとなく答えが出た」ではなく根拠のある回答を得られます。OSSとして公開されているため、手元のPCで無料で試すことも、クラウドAPIとして本番環境に組み込むことも可能です。
主な機能
- ベクトルDB不要の推論ベース検索 ドキュメントを自動で階層ツリーに変換し、LLMがツリーをたどりながら関連箇所を「考えて」探す。ベクトルDBの構築・維持コストがゼロになる。
- チャンキング(細切れ分割)不要 文書を人工的に分割せず、章・節・段落といった自然な階層構造をそのまま保持するため、文脈が壊れない。
- 根拠の追跡が可能(トレーサビリティ) 検索結果には必ずページ番号・セクション参照が付き、「どこを根拠にした回答か」が一目でわかる。監査・コンプライアンス用途にも適する。
- 複数の利用形態に対応 チャット画面(PageIndex Chat)ですぐ試せるほか、MCP(AIエージェントからツールを呼び出す仕組み)やPython APIで自前アプリへの組み込みも可能。Claude・OpenAI・LangChain・CrewAI等のエージェントSDKと連携できる。
- マルチLLM対応(セルフホスト版) OpenAI・Anthropic・Geminiなど主要LLMをLiteLLM経由で切り替えられる。自分が使いたいLLMをそのまま利用可能。
- ビジョン対応(OCR不要)RAG 従来のOCR(紙をテキストに変換する処理)を使わず、PDF画像をそのまま視覚的に読み込んで回答を生成するビジョンベースのパイプラインも実装可能。
- 大規模コーパスへのスケール 「PageIndex File System」機能により、単一文書だけでなく数百万件規模のドキュメント群全体をツリーでインデックス化し、横断検索を実現できる。
料金プラン
| プラン | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| OSSセルフホスト版 | GitHubから取得してローカル実行。標準PDFパース機能付き | 無料 |
| クラウドFree Trial | Developer Dashboardでアカウント作成後すぐ試せる無料枠。高精度OCR・ツリー構築を含む | 無料(枠あり) |
| クラウド有料プラン | 毎月リセットされるクレジット制。プラン詳細はDeveloper Dashboard内のSubscriptionページで確認 | 詳細は公式サイト参照 |
| エンタープライズ | 専用VPC・オンプレミスへのプライベートデプロイ | 要問合せ |
> ※料金は公式のDeveloper Dashboard(https://docs.pageindex.ai/pricing)で最新情報を確認してください。
導入方法
① OSSをローカルで動かす(セルフホスト)
# 1. リポジトリを取得
git clone https://github.com/VectifyAI/PageIndex
cd PageIndex
# 2. 依存パッケージをインストール
pip3 install --upgrade -r requirements.txt
# 3. LLMのAPIキーを.envファイルに設定
# 例: OPENAI_API_KEY=sk-...
# 4. PDFからツリーインデックスを生成
python3 run_pageindex.py --pdf_path /path/to/your/document.pdf
# Markdownファイルにも対応
python3 run_pageindex.py --md_path /path/to/your/document.md
② クラウドAPI(Python SDK)を使う
# SDKをインストール
pip install -U pageindex
from pageindex import PageIndexClient
# APIキーはDeveloper Dashboardで発行
pi_client = PageIndexClient(api_key="YOUR_API_KEY")
# PDFをアップロードして処理
result = pi_client.submit_document("./2023-annual-report.pdf")
doc_id = result["doc_id"]
# 処理完了を確認してから質問
response = pi_client.chat_completions(
messages=[{"role": "user", "content": "このレポートの主要な発見事項は何ですか?"}],
doc_id=doc_id
)
print(response["choices"][0]["message"]["content"])
③ MCPでClaudeやCursorに接続する
MCP(AIエージェントとツールをつなぐ共通規格)対応のクライアントなら、設定ファイルに以下を追記するだけで連携できます。
{
"mcpServers": {
"pageindex": {
"type": "http",
"url": "https://api.pageindex.ai/mcp",
"headers": {
"Authorization": "Bearer your_api_key"
}
}
}
}
こんな人におすすめ
- 長いPDFに質問したいが、ChatGPTに貼り付けると「長すぎる」エラーが出る人 100ページを超える決算書・仕様書・契約書でも、ツリー検索で必要な箇所だけを正確に取り出せる。
- 「どこを根拠にした回答か」が重要なビジネス・法務・金融用途の開発者 ページ・セクション参照が常に付くため、監査やダブルチェックが必要な場面でも安心して使える。
- 既存のAIエージェント(Claude・OpenAI・LangChain等)に文書検索機能を追加したい人 MCP経由で接続するだけで、自前のエージェントがそのままPageIndexを「ツール」として呼び出せるようになる。
- ベクトルDBの維持・管理コストを下げたい個人開発者 Pinecone・Weaviateなどの外部ベクトルDBが不要になるため、インフラをシンプルに保ちながら高精度な文書QAを実現できる。
よくある質問
Q. ベクトルDBなしでなぜ精度が高いのですか? A. 従来のRAGは「質問に似た文章を探す」だけなので、本当に答えが書かれているページではなく「似たキーワードが多い場所」を返してしまうことがあります。PageIndexはLLMが目次ツリーを見ながら「どの章・節に答えがありそうか」を推論してから読みに行くため、「似ている=正解ではない」問題を回避できます。
Q. セルフホスト版とクラウドAPI版の違いは何ですか? A. セルフホスト版はローカルで無料で動かせますが、標準的なPDF解析を使います。クラウド版は高精度OCRと強化されたツリー構築パイプラインを使うため、表が多い複雑なPDFでより高い精度が得られます。
Q. OpenAI以外のLLMでも使えますか? A. セルフホスト版はLiteLLMを経由しているため、OpenAI・Anthropic・Geminiなど複数のLLMを切り替えて使えます。クラウドAPI版はPageIndex自身がLLMを管理するため、利用者側でのLLM設定は不要です。
Q. 日本語のPDFは処理できますか? A. 公式ドキュメントには日本語対応の明示的な記載はありませんが、使用するLLM(GPT-4oなど)が多言語対応しているため、日本語PDFでも動作します。複雑なレイアウトの日本語文書はクラウド版の高精度OCRの利用が推奨されます。詳細は公式サイトで最新情報を確認してください。
glossary — わからない用語があったら
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LLMアプリ開発プラットフォームのOSS代表格。ワークフロー・RAG・エージェントをGUIで構築し、APIとして公開できる。