iii AIツール

iiiは、Motia LLCが開発したオープンソースのバックエンドランタイム。「Worker・Trigger・Function」という3つの概念だけで、複数言語のサービスをリアルタイムに連携・監視できる点が最大の特徴。GitHubスター数は約18,000超(2026年時点)。

last-updated: 2026-07-17 · source: database

github_stars18.5k
pricingエンジン本体・SDK・コンソールは無料(セルフホスト) / クラウドプランは詳細は公式サイト参照
japanese不明

概要

iii(読み方:スリーアイ)は、Motia LLCが開発したオープンソースのバックエンドランタイムです。現代のソフトウェア開発では、キュー(タスクを順番待ちさせる仕組み)・HTTP・定期実行・状態管理・AIエージェントといった機能を追加するたびに「新しいサービスを覚えて・設定して・つなげる」という作業が積み重なり、連携の複雑さが膨れ上がります。iiiはその複雑さを根本から解消し、「新しいサービスを使うことをライブラリのインポートと同じくらい簡単にする」という思想で設計されています。

エンジン本体はRustで書かれており、Node.js・Python・Rust・Go向けのSDK(開発キット)が公式提供されています。GitHubのスター数は2026年時点で約18,000超と、開発者コミュニティから高い注目を集めています。AIエージェント(自律的に動くAIプログラム)も、通常の開発者がサービスを呼ぶのとまったく同じ仕組みで動作するため、「エージェント専用の特別な基盤」を別途用意する必要がありません。

主な機能

「Worker(動くプロセス)」「Function(処理の単位)」「Trigger(実行のきっかけ)」だけで全サービスを統一的に表現できます。複数の技術スタックを学び直す必要がなくなります。

TypeScriptのAPIサービスもPythonのデータ処理も、同じエンジンに接続することで相互に関数を呼び合えます。言語の壁を意識せず、得意な言語でそれぞれのWorkerを書くだけで連携が実現します。

iii worker add queueiii worker add agent のように、1行のコマンドを打つだけでキュー・エージェント・サンドボックスなどの機能が即座にシステムに追加されます。追加されたWorkerは他のWorkerにすぐ通知され、呼び出せる状態になります。

エージェントは特別扱いされず、通常のWorkerとして動作します。エージェントのツール(道具)はFunction、メモリは状態管理、オーケストレーション(指揮)はTriggerで実現するため、エージェントも人間の開発者も同じインターフェースを使います。

OpenTelemetry(アプリの動作ログ・トレースを統一的に記録する業界標準規格)がプロトコルレベルで組み込まれており、追加設定なしで全言語のトレースが1画面に表示されます。

ブラウザから起動できる開発者コンソールで、Worker・Function・Trigger・キュー・ログ・トレース・リアルタイム状態をひとつの画面で確認できます。ライブWebSocket(リアルタイム通信)ストリームの監視や、キーバリューストア(データを鍵と値のペアで保存する仕組み)の閲覧も可能です。

公式の workers.iii.dev にWorkerの一覧が公開されており、データベース・Slack通知・メール送信などを iii worker add で即追加できます。各Workerには「Skill(スキル)」と呼ばれるAIコンテキスト用の情報も付属しています。

料金プラン

プラン内容費用
セルフホスト(エンジン)Elastic License 2.0(ELv2)のもと自由に利用可無料
セルフホスト(SDK・CLI・コンソール・ドキュメント)Apache License 2.0、商用利用含め自由に使用可無料
iii Cloudクラウドマネージドプラン(詳細は公式サイト参照)詳細は公式サイト参照

> 補足: エンジン本体はELv2ライセンス(ソースは公開されているが、iiiと競合するサービスとしての再販売は不可)です。SDK・コンソール・ドキュメントはApache 2.0で完全に自由に利用できます。クラウドプランの具体的な料金は公式サイトでご確認ください。

導入方法

1. iiiエンジンをインストール

curl -fsSL https://install.iii.dev/iii/main/install.sh | sh

インストールスクリプトが自動でプラットフォームを検出し、バイナリをPATHに追加します。

2. プロジェクトを初期化して起動

iii project init quickstart --template quickstart
cd quickstart
iii  # エンジンを起動

これだけでPythonとTypeScriptの2つのWorkerが含まれたサンプルプロジェクトが立ち上がります。

3. コンソール(管理画面)を起動

curl -fsSL https://install.iii.dev/console/main/install.sh | bash
iii-console  # ブラウザで http://localhost:3113/ を開く

4. WorkerをDockerで動かしたい場合

docker pull iiidev/iii:latest
docker run -p 3111:3111 -p 49134:49134 \
  -v ./iii-config.yaml:/app/iii-config.yaml:ro \
  iiidev/iii:latest

5. 新しいWorkerを追加する

iii worker add queue    # キュー機能を追加
iii worker add agent    # AIエージェント機能を追加
iii worker add database # データベース連携を追加

こんな人におすすめ

PythonでAI処理、TypeScriptでAPI、という構成でも、iiiを使えば言語をまたいだ関数呼び出しがシンプルなコマンドで実現できます。

エージェントが別のサービスを必要とした際に、実行中のシステムに新しいWorkerを追加して即座に使い始めることができます。エージェント専用の複雑なハーネス(実行管理の仕組み)が不要です。

ビジュアルコンソールで全Worker・ログ・トレースを一覧でき、「今何が動いているか」を常に把握しながら開発できます。

キュー・HTTP・Cron(定時実行)・状態管理などをバラバラのツールで管理するのではなく、iiiひとつに集約することで、学習コストと運用の手間を大幅に削減できます。

よくある質問

Q. 無料で使えますか? A. はい。エンジン本体・SDK・CLIツール・コンソール・ドキュメントはすべて無料で利用できます。エンジンはElastic License 2.0、SDKやコンソールはApache 2.0ライセンスです。クラウドマネージドプランの料金は公式サイトをご確認ください。

Q. プログラミング言語はどれに対応していますか? A. 公式SDKはNode.js(TypeScript/JavaScript)・Python・Rust・Goに対応しています。WebSocketプロトコルで通信するため、理論上はどの言語からでもWorkerを実装できます。

Q. AIエージェントを動かすのに別のフレームワークが必要ですか? A. 不要です。iiiのドキュメントでは「本質的にエージェント対応(inherently agentic)」と説明されており、エージェントは通常のWorkerとして同じランタイム上で動作します。エージェントのツールはFunction、メモリは状態管理、オーケストレーションはTriggerで表現するため、専用の別基盤は必要ありません。

Q. 本番環境(実際のサービス)で使えますか? A. 2026年時点でiii自体はアクティブに開発中です。公式ドキュメントにはアルファ版である旨の記載も残っています。本番投入の際は最新のリリースノートと公式ドキュメントで安定性を確認することを推奨します。

APIオープンソース(OSS)セルフホストクラウドデータベース(DB)フレームワークGitHubCLI(コマンドライン)