kotaemon AIツール
Cinnamonが開発するオープンソースのRAG(手持ちの資料をAIに読ませて答えさせる仕組み)ツール。PDF・Wordなどの文書にチャットで質問でき、完全無料・ローカル動作対応で情報漏えいリスクなしに自前サーバーで運用できるのが最大の特徴。
spec — 基本情報
| github_stars | 25.6k |
|---|---|
| pricing | 完全無料・オープンソース(Apache 2.0)/ツール本体に料金なし。別途使用するLLM APIのコストは各プロバイダーに依存 |
| license | Apache-2.0 |
| japanese | 不明 |
概要
kotaemonは、AIスタートアップのCinnamonが開発・公開するオープンソースの「文書チャットUI」です。RAG(手持ちの資料をAIに読ませて答えさせる仕組み)をベースに構築されており、PDFや社内マニュアルなどのファイルをアップロードするだけで、AIが内容を参照しながら質問に回答してくれます。ツール本体は完全無料で、自分のパソコンやサーバー上で動かせるため、機密文書を外部のクラウドサービスに送らずに済むのが大きな強みです。
GitHubで約24,800スター(2026年時点)を獲得し、エンドユーザーからAI開発者まで幅広い層に支持されています。エンドユーザーはそのままWebUIとして使え、開発者は自分のRAGパイプライン(AIが文書を検索・回答する処理の流れ)を組み込むフレームワークとしても活用できます。Apache 2.0ライセンスのため商用利用も可能です。
主な機能
- マルチユーザー対応のセルフホストWeb UI: ログイン機能付きのWebアプリを自前サーバーで運用でき、ファイルをプライベート/公開コレクションで整理・共有できます。チームでの共同利用も想定されています。
- ハイブリッドRAGパイプライン: 全文検索とベクター検索(意味的な類似度で探す仕組み)を組み合わせ、さらに再ランキング処理を加えることで、単一の検索方法より精度の高い回答を実現します。
- 幅広いAIモデルへの対応: OpenAI・Azure OpenAI・GroqなどのクラウドAPIと、Ollama・llama-cpp-pythonを使ったローカルモデルの両方を切り替えて使用でき、UIから設定変更が可能です。
- マルチモーダルQAサポート: 図・表・グラフを含む複雑なPDFにも対応。ドキュメントに含まれる画像や表を解析したうえで質問に答えることができます。
- 引用付き回答とブラウザ内PDFビューア: 回答には必ず参照元の箇所が引用として提示されます。ブラウザ上でPDFを開きながら該当部分をハイライト表示で確認でき、回答の正確性を自分で検証できます。
- GraphRAGへの対応: Microsoft GraphRAG・NanoGraphRAG・LightRAGといった高度な知識グラフ検索手法にも対応しており、複雑な関係性を持つ文書群でも精度の高い検索が可能です。
- 柔軟なベクターストア・ドキュメントストア選択: ChromaDB・LanceDB・Milvus・Qdrantなど複数のデータベース(ベクターDB)に対応。環境に合わせて設定ファイルで切り替えられます。
料金プラン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール本体 | 完全無料・オープンソース(Apache 2.0) |
| 商用利用 | 可能 |
| OpenAI等のAPI利用 | 各プロバイダーの従量課金に従う(ツール側の追加費用なし) |
| ローカルモデル利用 | 完全無料(Ollama・llama-cpp-python経由) |
| サポート | GitHubのIssue・Discussionsで対応(有償サポートは公式情報なし) |
※ツール本体に月額費用は一切かかりません。ローカルモデルを使えば外部APIコストもゼロで運用できます。
導入方法
方法①:インストーラー(コマンド不要・初心者向け)
公式ドキュメントのQuick Startページからkotaemon-app.zipをダウンロードし、解凍後にscriptsフォルダ内の起動スクリプトをダブルクリックするだけでインストールが始まります。
- Windows:
run_windows.batをダブルクリック - Mac:
run_macos.shをTerminalで開く - Linux: ターミナルで
bash run_linux.shを実行
インストール後はブラウザが自動で開き、初期ログイン情報(ユーザー名: admin / パスワード: admin)でアクセスできます。初回ログイン後すぐにパスワードを変更することが推奨されています。
方法②:Docker(中級者向け・手早く環境を作りたい人に)
# フルバージョン(.docx等にも対応)
docker run \
-e GRADIO_SERVER_NAME=0.0.0.0 \
-e GRADIO_SERVER_PORT=7860 \
-v ./ktem_app_data:/app/ktem_app_data \
-p 7860:7860 -it --rm \
ghcr.io/cinnamon/kotaemon:main-full
Dockerイメージにはmain-lite(軽量版)とmain-full(Word等の追加ファイル形式対応)、main-ollama(ローカルAI内蔵版)の3種類があります。起動後は http://localhost:7860/ でWebUIにアクセスできます。linux/amd64とlinux/arm64(新しいMac)の両プラットフォームに対応しています。
方法③:Pythonから直接インストール(開発者向け)
conda create -n kotaemon python=3.10
conda activate kotaemon
git clone https://github.com/Cinnamon/kotaemon
cd kotaemon
pip install -e "libs/kotaemon[all]"
pip install -e "libs/ktem"
その後、.envファイルにAPIキーを設定して起動します。全アプリデータは./ktem_app_dataフォルダに保存され、別マシンへの移行もフォルダをコピーするだけで完了します。
こんな人におすすめ
- 社内文書や契約書をAIで検索したい個人・チーム: ローカル完結で動くため、機密文書を外部サービスに送ることなくAI検索を実現できます。法務・経理・総務などの書類管理に適しています。
- 自前のRAGアプリを作りたいノーコード〜ローコード開発者: コマンドが苦手でもインストーラーで起動でき、UIから各種設定を変更できます。プログラミング経験がある方はPythonでパイプラインをカスタマイズする土台としても活用できます。
- 研究者・アナリスト・ライター: 大量の論文・報告書・資料をアップロードし、横断的な質問をするユースケースに向いています。引用付き回答で情報源を確認できるため、ファクトチェックにも役立ちます。
- プライバシーを重視するユーザー: Ollamaなどのローカルモデルと組み合わせれば、一切の情報を外部に送らずに完全オフラインで文書AIを構築できます。
よくある質問
Q. 無料で商用利用はできますか? A. はい、kotaemon本体はApache 2.0ライセンスで公開されており、商用利用が可能です。ただし、OpenAIなど外部のLLM APIを使用する場合は、そのプロバイダーの利用規約と料金が別途かかります。
Q. 対応しているファイル形式は何ですか? A. 標準(liteイメージ)では.pdf・.html・.mhtml・.xlsxなどに対応しています。Dockerのfullイメージを使うとunstructuredパッケージが追加され、.doc・.docxなど、さらに多くのファイル形式をサポートします。
Q. ChatGPTのAPIキーがなくても使えますか? A. 使えます。Ollamaをインストールしてローカルモデルを動かす設定にすれば、外部APIなしで完全無料・オフライン動作が可能です。ただしローカルモデルの精度はPCのスペックと選択するモデルサイズに依存します。
Q. 複数人で同時に使えますか? A. はい、マルチユーザーログイン機能が標準搭載されており、管理者がUI上で追加ユーザーを作成できます。ファイルをプライベート/公開コレクションに分けて管理し、チャット履歴を共有することも可能です。
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