kong OSS
KongはNginxベースのオープンソースAPIゲートウェイ。複数のAPIやマイクロサービスへのリクエストを一元管理し、認証・レート制限・ルーティング・AI対応(60以上のAI機能)をプラグインで柔軟に拡張できるのが最大の特徴。
spec — 基本情報
| github_stars | 43.8k |
|---|---|
| pricing | OSSは無料・自己ホスト / Konnect Plus は従量課金(サービスあたり約$105/月〜)/ Enterprise は要問い合わせ |
| license | Apache-2.0 |
| japanese | 不明 |
概要
Kong(正式名:Kong Gateway)は、Nginx上に構築されたクラウドネイティブなオープンソースのAPIゲートウェイ(API窓口・交通整理役)です。複数のバックエンドサービスへのリクエストを一か所で受け取り、認証・レート制限(一定時間内のアクセス数制限)・ルーティング(行き先の振り分け)・ログ収集などを「プラグイン」と呼ぶ追加部品を組み合わせるだけで実装できます。Apacheライセンス2.0でGitHub上に公開されており、自分のサーバーやクラウド、Kubernetes(コンテナを束ねて動かす基盤)にも無料でデプロイできます。
2026年時点では、OpenAI・Anthropic・Google Gemini・AWS Bedrockなど複数のLLM(大規模言語モデル)をまとめてルーティングできる「AI Gateway」機能が60以上追加され、AIを使ったアプリ開発の基盤としても注目されています。ニューヨーク・タイムズ、Expedia、Rakutenなど大手企業の本番環境でも採用実績があり、スタートアップから大企業まで幅広く使われています。
主な機能
- 高度なルーティングとロードバランシング:URLパターンやHTTPメソッドに応じてリクエストをバックエンドサービスへ振り分け、負荷分散(アクセスを複数サーバーに分ける仕組み)やヘルスチェック(サーバーの死活監視)も設定可能。
- 認証・認可:APIキー・JWT(トークン方式の認証)・OAuth 2.0・Basic認証・mTLS(相互TLS)など多彩な認証方式をプラグインで追加できる。
- レート制限(アクセス制御):特定のユーザー・サービス・ルートごとに1秒・1分・1時間あたりのリクエスト数を細かく制限し、過負荷や不正利用を防ぐ。
- AIマルチプロバイダー対応:OpenAI・Anthropic・GCP Gemini・AWS Bedrock・Azure AI・Mistral・Hugging Faceなど複数のLLMを統一されたAPIで束ねてルーティングできる。AIのセマンティックキャッシュ(意味が似た質問には保存済み回答を返す仕組み)やAIセキュリティ機能も搭載。
- プラグインエコシステム:50以上の公式プラグインに加え、コミュニティ製や自作プラグインも利用可能。ログ収集・モニタリング・レスポンス変換・AWS Lambda連携など多様な用途に対応。
- Kubernetes対応:公式のKubernetes Ingress Controller(Kubernetes上のトラフィック入口管理)を備え、HelmやKong Gateway Operatorでデプロイ・管理を自動化できる。
- DB-lessモード(データベース不要モード):PostgreSQLなどのデータベースなしにYAML/JSONファイルだけで設定を管理する「宣言的設定」が使え、シンプルな構成で素早く起動できる。
料金プラン
| プラン | 費用 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Kong Gateway OSS(OSSコア) | 無料(自己ホスト) | ルーティング・認証・レート制限など基本機能。管理GUIなし、設定はCLI/Admin API/YAMLファイルで行う |
| Kong Konnect Free | 無料(SaaSトライアル) | Konnectクラウド管理プラットフォームのお試し枠。小規模なPoC(概念実証)向け |
| Kong Konnect Plus | 従量課金(サービスあたり約$105/月 + リクエスト約$34.25/100万件) | SaaSコントロールプレーン・開発者ポータル(最大2つ)・リアルタイム分析など。管理画面(Kong Manager)が使える |
| Kong Konnect Enterprise / Gateway Enterprise | 要問い合わせ(営業に連絡) | SSO(シングルサインオン)・監査ログ・RBAC(役割ベースのアクセス制御)・無制限ゲートウェイ・カスタム分析など上位機能。完全自己ホストも選択可 |
> ※ Konnect PlusのリクエストやサービスごとのKonnect料金は公式サイトの料金ページで最新情報を確認してください(https://konghq.com/pricing)。Enterprise料金は非公開で営業担当への問い合わせが必要です。
導入方法
方法①:クイックスタートスクリプト(最速・推奨)
Konnectの無料アカウントを作成し、パーソナルアクセストークンを取得した後、以下の1コマンドでローカルにKong Gatewayを起動できます。
curl -Ls https://get.konghq.com/quickstart | bash -s -- -k $KONNECT_TOKEN
このスクリプトはKonnect上にコントロールプレーンを作成し、Dockerでローカルデータプレーンを自動的にセットアップします。
方法②:Docker単体で起動(DB-lessモード)
Dockerがインストール済みであれば、データベースなしで即座に起動できます。
docker run -d --name kong \
-e "KONG_DATABASE=off" \
-e "KONG_PROXY_ACCESS_LOG=/dev/stdout" \
-e "KONG_ADMIN_ACCESS_LOG=/dev/stdout" \
-e "KONG_PROXY_ERROR_LOG=/dev/stderr" \
-e "KONG_ADMIN_ERROR_LOG=/dev/stderr" \
-e "KONG_ADMIN_LISTEN=0.0.0.0:8001" \
-p 8000:8000 \
-p 8001:8001 \
kong/kong-gateway
起動後、http://localhost:8001 でAdmin APIにアクセスして設定を追加できます。
方法③:Docker Composeで起動
公式ドキュメント(https://developer.konghq.com/gateway/install/docker/)に記載のDocker Composeファイルを使うと、PostgreSQLと組み合わせた本番に近い構成をすぐに試せます。
docker compose up -d
Kubernetes(Helm)でのインストール
helm repo add kong https://charts.konghq.com
helm repo update
helm install kong kong/kong
Windowsでの利用はDockerを経由するのが唯一の公式サポート方法です。
こんな人におすすめ
- 複数のAPIやバックエンドサービスを束ねたい個人開発者・スタートアップ:自分のサーバーにDockerで無料導入でき、認証やレート制限を自前で実装しなくて済む。AIサービスのAPIを複数まとめるゲートウェイとしても活用できる。
- OpenAIやAnthropicなど複数のAIプロバイダーを使い分けたい開発者:AI Gateway機能でLLMへのリクエストを一元管理・ルーティングでき、プロバイダー切り替えもコード変更なしで対応可能。
- KubernetesでマイクロサービスのAPI管理を自動化したいチーム:Kubernetes Ingress Controllerと自動スケーリングにより、トラフィック増減に自動で対応できる。
- OSSで始めて、後から有料管理機能を追加したい人:Kong GatewayはOSSコアを無料で使い続けながら、必要になったタイミングでKonnectの管理画面や分析機能をオプションで追加できる段階的な導入が可能。
よくある質問
Q. 無料のOSS版と有料版の一番の違いは何ですか? A. OSSは基本的なルーティング・認証・レート制限・プラグイン実行機能を無料で使えますが、管理GUI(画面操作)・詳細なアクセス分析・RBAC(役割ベースのアクセス管理)・OIDCなど高度な認証プラグインは有料の Konnect または Enterprise プランでのみ利用できます。OSSの設定はコマンドライン・YAMLファイル・Admin APIを通じて行います。
Q. データベースは必ず用意しないといけませんか? A. いいえ。DB-lessモードを使えば、PostgreSQLなどのデータベースなしにYAML/JSONの設定ファイルだけでKongを動かせます。小規模な開発・検証環境に向いています。本格的な本番環境ではPostgreSQLとの組み合わせが推奨されています。
Q. AIのAPIゲートウェイとして使えますか? A. はい。2026年時点でOpenAI・Anthropic・Google Gemini・AWS Bedrock・Azure AIなど複数のLLMをまとめてルーティングできるAI Gateway機能が60以上組み込まれています。ただし、AIトークン単位のレート制限(AI Rate Limiting Advanced)など一部の高度なAI機能は有料プランが必要です。
Q. Windowsでも使えますか? A. WindowsへのネイティブインストールはKongの公式サポート対象外ですが、Docker Desktop for Windowsを使えばDockerコンテナとして動かせます。公式ドキュメントもこの方法を案内しています。
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