PaddleOCR OSS
PaddleOCRはBaidu発のOSSのOCR(画像・PDFからテキストを抽出する技術)ツールキット。111言語対応・完全無料で、PDF/画像をAIが扱えるJSON/Markdown形式に変換できる。GitHubスター70,000超の実績を持つ。
spec — 基本情報
| github_stars | 85.4k |
|---|---|
| pricing | 完全無料(OSSライセンス: Apache-2.0)/ 公式サイトでAPIも提供(詳細は公式サイト参照) |
| license | Apache-2.0 |
| japanese | 不明 |
概要
PaddleOCRは、Baiduが開発・オープンソースで公開しているOCR(光学文字認識=画像やPDFの中の文字を読み取ってテキストデータに変換する技術)のツールキットです。2026年6月時点の最新版(v3.7.0)では、PDFや画像を丸ごと読み込み、AIがすぐ使えるJSON/Markdown形式の構造化データに変換する機能が中核となっています。ライセンスはApache-2.0で、個人・商用問わず無料で利用できます。
注目される理由は、「軽量なのに高精度」という点です。たとえば最新モデルのPP-OCRv6は、わずか34.5Mパラメータ(大型AIモデルの100分の1以下の規模)でありながら、数十億パラメータ級の大規模AIモデルに匹敵する精度を達成しています。RAG(手持ちの資料をAIに読ませて答えさせる仕組み)構築ツールとしてDify・RAGFlowといった人気プロジェクトにも採用されており、GitHubスター数は70,000を超えています。
主な機能
- 多言語OCR(111言語対応):日本語・英語・中国語はもちろん、アラビア語・ヒンディー語・タイ語など111言語のテキストを単一モデルで認識できます。旅行先の看板や外国語書類の文字起こしにもそのまま使えます。
- PDF・画像→Markdown/JSON変換(PP-StructureV3):スキャンしたPDF、写真に写った書類を、AIが読める構造化テキスト(Markdownまたは形式)に一括変換します。表のレイアウトや見出し階層もそのまま再現します。
- 表・数式・グラフの認識:表はセル構造ごと、数式はLaTeXコードとして、グラフ画像はデータ表として出力できます。論文や技術書類のデジタル化に役立ちます。
- 高精度な文書レイアウト解析(PP-DocLayoutV3):傾いた書類・折れ曲がりスキャン・逆光撮影など、現実の「汚い」画像5種類のシナリオに対応しています。スマホで斜めに撮影したレシートなども正確に処理できます。
- 印鑑・手書き文字の認識:印鑑の文字や崩れた手書き文字も認識対象。契約書や古文書のデジタル化にも対応しています。
- 複数ページにわたる表の自動結合:ページをまたいで分断された表を、自動的に1つの表として結合して出力できます。長い仕様書や財務報告書の処理に便利です。
- Python/CLI・複数SDK対応:PythonコードまたはコマンドラインからすぐFont利用できるほか、公式APIをPython・Go・TypeScript SDKから呼び出すことも可能です。HuggingFaceのTransformersライブラリからも利用できます。
料金プラン
| プラン | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| OSSローカル版 | 完全無料 | GitHubからダウンロードして自分のPC・サーバーで動かす。全機能・全モデルが無制限で使用可能 |
| 公式ウェブサイトAPI | 詳細は公式サイト参照 | www.paddleocr.com にて体験・API利用が可能。セットアップ不要でブラウザから即試用できる |
> ⚠️ OSSのライセンスはApache-2.0であり、商用利用も含めて無料です。APIの具体的な料金・制限は公式サイト(www.paddleocr.com)でご確認ください。
導入方法
前提条件: Python 3.8以上(一部機能はPython 3.9以上が必要)
ステップ1: PaddlePaddleをインストール(CPU版の場合)
python -m pip install paddlepaddle==3.2.0 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cpu/
> GPU(NVIDIA)を使う場合はCUDAバージョンに合わせたGPU版を別途インストールします。詳細は公式ドキュメントを参照してください。
ステップ2: PaddleOCR本体をインストール
# 全機能をまとめてインストール(推奨)
python -m pip install "paddleocr[all]"
# 基本OCRのみの場合
python -m pip install paddleocr
ステップ3: 使ってみる(コマンドライン)
# 画像からテキストを抽出する
paddleocr ocr -i ./your_image.png
# 文書レイアウトを解析してMarkdownに変換する
paddleocr pp_structurev3 -i ./your_document.png
ステップ4: Pythonコードから使う
from paddleocr import PaddleOCR
ocr = PaddleOCR(use_doc_orientation_classify=False)
result = ocr.ocr('your_image.png')
for line in result[0]:
print(line[1][0]) # 認識されたテキストを表示
> ノーコードで試したい場合: 公式サイト www.paddleocr.com にアクセスすれば、インストール不要でブラウザ上から最新モデルを体験できます。
こんな人におすすめ
- スキャンした書類や請求書をデジタル化したい人:大量の紙書類をPDFや画像でスキャンして、テキストデータとして管理したい個人・小規模事業者に最適です。表・印鑑・手書きもまとめて処理できます。
- RAGやAIチャットボットに自社資料を読み込ませたい人:PDFや画像をAIが読めるMarkdown/JSONに変換するパイプライン(処理の流れ)として使えます。DifyやRAGFlowなど主要なRAGツールと連携実績があります。
- 英語・中国語以外の多言語書類を扱う人:日本語・アラビア語・ヒンディー語など111言語に対応しているため、多国籍なプロジェクトや翻訳ワークフローの文字起こし工程に活用できます。
- コストをかけずに本格的なOCRを自分のサーバーで動かしたい開発者:完全無料・商用利用可のApacheライセンスで、クラウドAPIへの依存なくローカル環境で本番利用できます。軽量モデルはCPUのみでも動作します。
よくある質問
Q. 日本語の文字認識はできますか? A. はい、対応しています。最新のPP-OCRv6は単一モデルで日本語を含む50言語(中国語・英語・日本語と46のラテン文字言語)に対応しており、モデルを切り替える必要がありません。PaddleOCR-VLシリーズでは109言語に対応しています。
Q. 完全に無料で商用利用できますか? A. OSSのローカル版(GitHub公開版)はApache-2.0ライセンスのため、個人・法人ともに商用利用を含め無料で利用できます。公式ウェブサイトのAPI機能については、詳細は公式サイト(www.paddleocr.com)でご確認ください。
Q. GPUがない普通のパソコンでも動きますか? A. 動きます。PaddleOCRはCPUのみでも動作するよう設計されており、軽量モデル(tinyティア、1.5Mパラメータ)を選べばApple M4搭載Macでも高速に処理できます。ただし処理速度はGPUに比べて遅くなります。
Q. PythonのコードをまったくBook書いたことがなくても使えますか? A. ローカルへのインストールにはPython(バージョン3.8以上)の環境構築が必要なため、多少の技術的なハードルがあります。コードを書きたくない場合は、公式サイト(www.paddleocr.com)のブラウザ体験機能を使えばセットアップ不要で試すことができます。
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